4 ちーちゃんにはヒミツな話です。

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4 ちーちゃんにはヒミツな話です。

side正冬 「ちーちゃんのお父さんになら殴られるよ?」 人の少ない中庭に移動して、俺は宣言した。 ちーちゃんのお父さんになら、いくら殴られても文句は言わない。 そう言うと、ちーちゃんのお兄さんは「違う違う」と手を振った。 「俺も父さんも、正冬を殴る気なんかないって」 「つーか普通に名前で呼ぶね……」 「俺のことも空(たか)でいいよ。みんなそう呼ぶし」 「あー……じゃあ、空? 大学まで訪ねてくるってどうしたの。早めに挨拶に伺わなかったのは俺の落ち度だけど……」 「うん、ちーが大丈夫なヤツってどんなのかなーって気になってな」 「……ちーちゃんが大丈夫?」 どういう意味? 俺が首を傾げると、空は教えてくれた。 「ちーの周り――主に心名とかだけど、障害が多いだろ?」
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