第1話

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唯一の救いは、これでも彼氏がいる。 彼も、“家に入って欲しい”タイプだから、結局……プロポーズさえしてくれたら、いつでも“家に入る”つもりだ。 というか、この会社では結婚したら……続けられる状態では、ないかな。“家に入る”そんな気配が無いわけでも、無い。 社会人になった1年目で、新人教育の一環として、参加させられた外部セミナーで、たまたま隣に座ったのが彼だった。 新人教育とあれば、ロールプレイングで ディベート形式にビジネススキルを学ぶ。 必然的に隣の席の彼と一番話すことになった。 セミナーが終わると 「この後、お茶でも」明らかに、さっきのディスカッションよりも緊張した顔でそう言った彼に、好感が持てた。 同じ新人とはいえ、私は短大卒。彼は大卒。年齢で言うと、彼は2つ上だった。 そこから、交際に発展するまでは、なんと、1年以上もかかった。 真面目で、誠実な人だ。
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