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ああ、それは賢明だ。社長はさすが、社長職だなと思った。ここまでになると、そうした方がいい。外部に入って貰う方がいい。馴れ合いになった、この状況下では。
状況を把握し、何をすべきか……。
ただ、ちょっと行動が遅い、とは思うけれど、抱えるものが多すぎたのだろう。出来る人というのは、そうなのかもしれない。
下が育たない。良きアドバイザーでもいれば……もっと成長するのだろう。
そこに気づく社長だ。きっと、大丈夫だ。
「ええ。よろしいかと存じます。力不足で申し訳ありません」
正直、はいはいと何でも受けてた私も悪い。なまじっか、出来てしまうから。あの人達より。
そうやって、下に見ていることが、相手にも伝わりこの結果を招いたかもしれない。
私には昔から、分析するクセに、自分の中でだけで終わらせてしまう癖があった。
この会社で言えば……アウトプットする相手が居なかったというべきかもしれない。
「出来る奴は、自分でやった方が早いって思ってしまうんだよね。君の気持ち、分かるよ」
そう言って笑う社長の目は、まだ諦めていなかった。
「微力ながら……私も……」
そう言い掛けた時、部屋をノックする音が聞こえた。
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