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第1部 プロローグ
空気の澄んだ日の空。透明度の高い、海。青の洞窟。孔雀の青い羽。後を追って探し出したくなるような、青い鳥。一面のネモフィラ。冷たいように美しい青い薔薇。青い宝石。
心まで洗われるような綺麗な景色。赤より温度の高い、青い炎。
青という色は、人の心を捉える色なのだろうか。だから、こんなにも、求めてしまうのだろうか。
神秘的な青に心が捉えられる。
魅了される。
とても、一言では言い表せられない、不思議な色をしていた。
ある日、彼の瞳が私に向けられた。その色が、ハッキリと確認出来る距離で。ブラウンだと思っていた彼の目は、光が当たると…
青かった。
地球ように、暖かく、美しく、全てがそこにある。そんな、青がある……瞳だった。
虹彩に1つ濃い青のスポットがある。その瞳に、私が映る。
その青に、私の心が釘付けになった。 青かった。彼の瞳は。どこまでも美しく、どこまでも。
ただ、青かった。
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