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第1話
短大を卒業してこの大きくはない機器メーカーに就職して、7年目となった。
営業事務。表向きは営業の補佐。実際は雑用係。何でも屋。外回り以外は何でもしてる。営業は、私に仕事を押し付けて、さっさと帰る。
「これ、やっといてね」
それは、向こうに取ったら魔法の言葉なんだろうな……。
そして、こう言う。
「たまには、定時で帰ってデートでもしたら?」
その言葉に反応するのは私でもなく、他の営業。
「そうそう、行き遅れちゃうよ?」
セクハラ……それに、誰のせいか、分かってない。根本的に、気づいてもいない。
確かにね、女の26なんて……結婚していもおかしくない。
だけど、おかしくない?
私が結婚していないことよりも、営業補佐の私が、毎日一番最後に会社を出る事の方が。お陰で、会社の、鍵の1つは、私のキーケースに入っている。
おかしくない?それが、一番。
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