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◆◇クーとアム◇◆
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「だーーーーからなんで!寝ているドラゴン起こすかな!?」
「そこにしっぽがあったから!!」
「踏むな!しっぽある生き物なら敏感に決まってるでしょ!!」
「その割にあいつ等ってしっぽ攻撃するよね?不思議」
「そんな疑問今はいいから!どうするのこれ!」
「クー魔法でぶっ放してよ!ぶっ放せば全部済むでしょ!!
だから早く!いち早く!ぶっ放せーーー!!」
「っむりむりむり!ぶっ放す相手がでかいすぎて効くわけないじゃん!
今ぶっ放したら跳ねっ返されるか返り討ちされる!
アムの治療なんて役に立たない!」
「じゃあ!どうするの!」
「今はとにかく逃げて!!」
とうとつで申し訳御座いません。
物語の始まりを自分たちでぶっ壊しているのは分かってはいるのですが、
どうも悠長な事を言ってはいられない状況に今立たされております。
あ、申し遅れました。わたくし黒魔法使いクーと申します。
現在、森の探索中に見かけた普段は心優しいドラゴンさんが、
お昼寝をしているのに無防備にダラッとしていたしっぽを見つけてしまった
好奇心の塊の錬金術士見習いアムが
『このしっぽを踏んだらドラゴンはどんな顔をするのだろう』
という好奇心に負け。
あろうことか思いっ切りジャンプして踏みにじりやり、
切った清々しい顔をわたしに見せた瞬間、
わたしはやりやがったという表情と同時に
ドラゴンさんは身に覚えのない攻撃に敵と判断されてしまい。
現在激烈に森の中を道なき道を突き進んでも、
激昂したドラゴンさんは己の道を作り進んでくる状況に、
わたしたちは手も足も出ない状況に立たされています。
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