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何に悲鳴を上げたのだろう?
それは、自分に対してだったのだろうか?
薄暗い森が見えて来た。
その森の入り口にガリガリの老婆が優しく手招きをしている。
老婆は暖かく軍人を迎え入れてくれた。
私は何も言わずに、軍人に頭を下げていた。
その頭を老婆が優しく撫でてくれた。
「もう、お帰り。私ももう長くないんだよ。きっと、これからは罪が身近で必要になるから。運命なんだね。勿論……必要なさそうな罪もある。私がいないとやっぱり困るだろう。その時は、神様に祈って、罪も持って身を守って明るく平和に暮らしなさい」
老婆はとても優しい。
私は老婆にも軍人にも何度も頭を下げて、元来た道を帰って行った。
両親が起きだした家に着くと、こう思った。
もう老婆も長くない。
でも、罪って日常にあって、いつも善だけしていればいいんだ。
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