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そんな、至ってノーマルで平凡な男性の慶の身に、突然転換させられるような出来事が起こるのであった。
慶は、飲み会上がりの帰り道を一人歩き行く。タクシーをすぐに捕まえようと思ったが、外の空気に暫く当たりたくて、もう最寄りの駅まで歩こうと決めた。
飲み会の際、『慶はイケメンだけど、しっかりしてて気配りが出来る』と、先輩や上司から気に入られ、結構な量をノリで、お酒を飲まされた。
具合が悪くなってしまいそうな勢いだが、ちょっと頭がフワフワして、目が据わるだけで、歩くのには異常はなかった。
時間帯的に、人が賑わっていて、下手したらのみ込まれてしまいそうだ。
慶はなんとなくここから抜けたくて、店が構える一本道ではなく、横にちらほら見える細い道の方に、足を向かせた。
建物と建物の間で、暗く、人々の声も遠くなった。
狭いくらいだが、人混みから外れて少し気が楽になる。
そうして、しばらく道を歩けば、今度は人気の少ない所に出た。
雰囲気がガラッと変わり、居酒屋というよりも、BAR、そしてラブホテルのような所が建てられていた。
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