復興計画

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不思議なことに、この一連の不可解なできごとを通して、ひとりの死者も出ていないことがわかった。 最初の霧が発生した時、国道14号線は閉鎖され、電車も運休になったから、橋が消えた時に被害に遭うひともいなかった。 橋の再建を試みたときも、工事関係者は一時的に避難したために、このときもまた誰も傷つけられることはなかった。 さらに、フェリーのときも、施設は消えたが、誰一人として関係者に異常はなかったのである。船に乗っていた人、ターミナルにいた人、すべてが、気がついたら何もない河川敷にいたという。まるで狐につままれたような話であるが。
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