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ブラックバイターが異世界にいきました
彼、野原はブラックバイターだ。
ブラックバイター。もとい、ブラックアルバイターとは。二〇一九年までの大学生就職率が、かなり低迷した中で特に言われている言葉。類義語は社畜。
二二%しかない就職率で、更に求人で嘘をつかれ、仕事を辞めたものの、再就職が決まらないものや、就職が失敗した者がなるものだが、店や仕事先が真っ黒だと起こる。
そんなブラックアルバイターだった彼女が、やきが回って、異世界に行くために、部屋を片付けて、如何にも魔方陣を描いたのだ。
こんな腐りきった世界では、死ぬか精神病拗らせるかの二択。だったわけだ。
そうなるくらいなら、廃人とはいかなくても無我夢中で青春時代を捧げた知恵を集め、異世界にでも行こうとしたわけだ。
紙を大量にばらまいた床、回りは買った触媒のお菓子達、紙に書かれた魔方陣。野原は魔方陣の上に寝転がり叫んだ。
「スライムでも何でもいい!!異世界に行かせてくれ!!」
野原の叫びに、魔方陣は瞬いた。
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