"Across the eyes"

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 その痛みは3日たっても、なくなることはなかった。藤道さんと話し合うだけで痛み出した。色んな社員さんがオープンにして、楽しそうに働いています。そう彼女が嬉しそうに言ってくれるのに、キリキリと痛んだ。向こうとこちらではあんなに状況が違う。それがとてつもなく、苦しい。  私たちの関係は誰も知らない。正直結婚すら頭を掠めるくらいなのに、周りの認識は“仲のいい女友達”。そのせいでいい人いないの? といった余計で残酷なお世話の言葉が絶えない。  口に出す機会もなければ、言った後のリスクもある。そんな状況で言えるわけもない。けれど皆は“当たり前”に言ってくる。清々しいくらいの悪意のなさで。“好きな男のタイプは?” “どうして恋しないの?” “そんなに可愛いのに彼氏いないの?”  どのくらいその言葉が残酷かも知らないで。怒りを覚えそうなほど無邪気な声で。女性らしく振舞うことが嫌いな文乃は、私よりももっと苦しんだに違いない。“もっと女の子っぽくしたら? せっかく可愛いのに” “そんなんじゃ結婚してもらえないよ?” ……私よりも、ずっと。
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