第六話:多くの芸術家がそうであるように、科学者もマイワールドの中で生きているのね。

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 やはり、彼女が土のロッドのエルフィンマスターであるみたいだ。 名前は安土琴野(あづちことの)さん。17歳。 この研究棟の一室をほぼ占拠するような形で、自分の研究と、趣味のフラワーアートに没頭しているみたいである。 一見すると、傍若無人に思えなくもないが、それだけ優秀な研究員ということなのだろうか?  琴野:  「最初に、あの魔虫たちを見たとき、絶対に異常気象による突然変異と思っていたんだけどさ、何日か現場を捜索中にこのエルフィンのノームと出会ってね。 私がこの土のロッドと、それに宿るエルフィンであるノームのエルフィンマスターになることになったんだ。 ノームの情報によって、あの魔虫たちが突然変異なんかじゃないことがわかってね。 それからますます研究意欲が湧いちゃってさ、誰にも邪魔されたくはなかったから極秘で研究していたんだけど、魔物側からしてみると、私がエルフィンマスターになったことはすぐにわかったみたいでね。 その都度、土のロッドで魔虫たちを浄化しなくちゃいけなくて大変だったんだよ。
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