第六話:多くの芸術家がそうであるように、科学者もマイワールドの中で生きているのね。

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 ただ、私自身、自分の目先の問題しか見えていなかったことに気づき、なんだかエルフィンマスターとして申し訳ない思いになった。 凹みがちにうつむいていたのだが、そのとき、 ルナ: 「おい、何をするんだ!私の携帯電話をどうするつもりだ?」 いつの間にか体制を取り戻していたマスク男は、ルナが背負っていたバックから携帯電話をぶんどっていた。 ファントム(マスク男): 「飛んで火にいるナントカだな。ライトニングはもらったぞ!ふはははっ!」 と叫びながら、一目散に逃げていった。 あまりの速さに、誰も追いつけなかった。  ルナ:  「しまった。うかつだった。やばいことになったぞ。」  ルナによると、マスク男が言っていたライトニングとは雷のエルフィンの正式名称であるらしい。  ただ、居場所を秘匿している面目上、偽名を使っていたらしい。  ・・・って、そんな偽名じゃぁ、すぐにバレそうだけど・・。  そんなことより、ルナの携帯電話を経由して、ライトニングを魔法道具に宿らせることにより、元々太陽の属性であるライトニングは、アーリマンの傘下に入ってしまうだろうということだった。  それと同時に、今後は今まで普通に連絡を取り合って情報を得ていた、ルナのピカルとの当たり前のように行っていた一連の動作が出来ないということになる。  桃芽: 「仕方ないやん。 だれもあいつがあんなに早い動作が取れるなんて、思うてへんかったやん。 しかし、逃げ足だけは速かったな~。 まぁ、残りのエルフィンマスターは後1人なんやし、ナントカなるって。 みんな前向きにいこ~。」  と桃芽ちゃんが言ってくれた。 この娘の元気なところ、こういう時は本当に助かる。 心から感謝だわ。
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