【5】クリカ・ジェプリカ《終焉の戯曲》

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「あなたがハトシェラプ(金筒の密命)でリュヘル道士(クライエン)に命じた。凶暴化(バーンミット)する前に自分を殺せと……そう命じたのです」  許しを求めるような響きになってしまうのに、ジェフリはいらだった。 女王アルテミアのを受けて、こんなところまでやってきたのだ。 そして、王殺しという大罪を人に押し付けてもなお、王としての尊厳を保とうとする歴史に腹が立った。 なんとか自分の中から怒りを引き出し、振り上げた爪先を女王の(ポインター)の在処に突き立てるのだ……そう言い聞かせ、ぐっと爪先を胸の辺りに狙いを定めた。 「あなたが死んでしまえば、ユディア王女は一人で闘うしかなくなる。それでもこれが、最善なのですよね」  そう言った瞬間、だらだらとよだれを垂らし続けていた女王の瞳に、ちかりと光が灯ったように見えた。  その威厳ある表情は、ユディア王女にそっくりだった。  ぐっと爪先を女王の胸元に沈み込ませた……。  爪先が魂の在処を求めてさらに奥深くへと侵入しようとした、その時。  ぷすりとジェフリの肩に黒い羽が突き刺さった。  その小さな痛みはすぐさま腕全体を痺れさせた。 「毒……?」
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