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ジェフリはベッドと机、小さなクローゼットがある自分の部屋を見回した。整理整頓を心がけるようにと言われているのもあるが、教科書くらいしか私物が無いのですっきりしている。
自分の部屋を持ったのは初めてで、ここが学校の寮だとしても、自分の居場所ができたような気がして嬉しかった。
扉の鍵を閉めて他の部屋でまだ眠っている生徒達を起こさないように、そっと階段を降りて外に出る。
焼け残った商工会議所の一部を、急ごしらえで学校と寮にしただけなのだったが、ジェフリにとっては初めての学校生活だった。
まだ空には星が瞬いている。
空気がねっとりとまとわりつくような……春の気配が漂う朝だ。
ぐっと大きく伸びをすると、中庭にいるユディアとプシラ、そして眠そうに目をこすっているシャレットに気がつくと側に寄った。
「おはよう。今から朝の礼拝なのか?」
三人とも同じスカートの制服を着ている。
みんな揃って、この高等技術専門学校で勉強を始めたのだ。
その手続きや試験に手配はエマウがやってくれた。
学校を運営しているのは商工会議所だ。
幹部に顔が利く彼女が、ジェフリと一緒にプシラ、ユディア王女、そして護衛としてシャレットも入学させてくれたのだった。
学校の費用も無料だし、少しだが給付金も出るとあって、国中から志願者が殺到したのだったけれども、そこはエマウの手さばきでなんとかなったらしい。
ただし、試験の合格ラインには食い込むことと言い渡されたので、ジェフリとシャレットはエマウやユディアに勉強を教えてもらいなんとか試験に合格できた。
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