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「またあなただけよ」「このままでいいと思ってるの」  営業に行く前にマネージャーにこっぴどく絞られた。それで、唯一少しだけ残っていたやる気も何もかも失われてしまった。  今までは、ATARAXIAのコンサートがあるから、新譜の発売があるから、だからそれまでは頑張ろう、と思うことができた。でも今は、凪子を動かす燃料となるようなものは何もないし、たとえATARAXIAに代わるものがあったとしても、もう燃料を貯蔵するタンクに穴があいているから無理だ。
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