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写真にマグカップ、時計にクッション……1Kの部屋に散らばっていた彼との思い出をかき集めると、ダンボール二箱分になった。
それは本当に唐突に。
脳内を円グラフで示すとしたら、今まで彼が占めていた領域が一気にしゅん、と萎んでしまった。
恋に『落ちる』と言うけれど、恋から冷める瞬間も『落ちて』いる。
足元にぽっかりあいた穴にしゅん、と落ちてしまって、次の瞬間には地球の裏側。彼が好きだった自分は、パラレルワールドにいるみたい。
ロケットが不要になった部分を切り離していくように、切り捨てる。飛び立つためだ。
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