蛇と花

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僅かに余韻を残していた睡魔が、一瞬にして吹っ飛んだ。 「あんた…。」 整った男の唇が開き、投下された声はやはり初めて耳にする物だった。 口を噤み、沈黙を走らせた相手。 妙な緊張を覚えるのは、きっと男の次の言葉を聞く事を本能が無意識に恐怖しているからだろう。 異様に長く感じた数秒が経過してから、相手は開口し、いよいよ自らそれを破った。
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