ブリキのおもちゃ

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 動きを止めたそれから言葉が漏れる。 「ゼ……?」 「ゼンマイよ~~巻き巻きマーキ、巻いてくれ、ユー!!」 声だけは合いも変わらずリズムを取り隆志へと投げかける。 「止まるんかい!?」  どうやらゼンマイが切れ動けなくなったようだ。 「聞いて驚くのは山下さん、ちなみにジイチャンブリキさん♪ ブリキのブリキのおもちゃさん♪」 「天才魔法使いなら魔法で何とかすればいいだろうが」 「バカメッ、さっきのでマジックポイント、つまりMPがー……。 ツイたよ底に、空っぽだ、イェ~ィ」 「ならこれで……」  ニヤッと笑みを浮かべる隆志。  ガラッと窓を開けた。 「捨てられるってもんだぜ~~~!」  天高くへと投げ捨てたのだ。  ソレは真っ直ぐと空へ飛び星となった。  こうして隆志の危機は去ったのだ……。  ーー次の日ーー  ガチッ……。  学校から帰宅し、ドアを開ける隆志。    天才と云われた 魔法使いがいた。  魔法使いは自分の体が朽ち果てる事を知った。  だから魔法使いは魂を別の物に移し替える事にした。 「という話を信じるかいベイべ」 「何でいんだよッ!?」  こうして、隆志とブリキとの奇妙な生活は始まったのでした。 「メデタシ、メデタイ、カニ食べたいィエィ」  ~完~
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