天国と姓零祭

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 俺の名前は、121番こと近藤生人(こんどう いくと) 十二歳。  俺は今から十二時間四二分前に死んだ。  体もひんやりと冷たく、心臓も動いていないのだから確かに死んでいるのだろう。  何で死んだかはよく覚えていない……。  それどころか、生前の記憶もほとんど覚えていない。  記憶が無いといっても、死の衝撃による記憶の混乱だとからしく時間と共に思い出すだろうとの事だ。 「そういう輩は意外に多い、実はワシもその口じゃ」  などと隣に立つ大柄な男が「ワッハッハ」と口を豪快に開け教えてくれた。  この人は、ここに来て最初に話しかけられ知り合った弁慶さんだ。
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