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───まったく。 知らない街に来た初日に早速絡まれるなんて、ツイてない。 「……っぐはっ…!」 「チビだと思ってナメてただろ! バーカ!」 地面に転がって顔を歪めた男に向かって、俺は笑いながらポケットに手を突っ込んだ。 左の脛を一撃で仕留めて、その後腹にグーパンをお見舞いしたからそう簡単には立ち上がれないらしい。 腹と脛の両方を痛がってる様を見ると安心した。 ここ三ヶ月くらい引っ越しの準備で忙しかったからケンカとは無縁だったけど…良かった、腕は落ちてない。 俺がチビだからって、調子に乗ってケンカを吹っかけてきたコイツが悪いんだからな。 「…てめぇ…! 覚えてろよ!」 「覚えてるわけねぇだろ! バーカバーカ!」 転がったままなのにまだいきがる男に吐き捨てて、俺はフンッと鼻息荒くその場から立ち去る。 そんなに金髪が珍しいのかよ。 「だからって絶対黒染めなんてしねぇもん!」 あーあ。 ちょっと目立つナリしてたらすーぐケンカ吹っかけられんだもんなぁ…。
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