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4.キアナとの暮らしⅢ
俺はあれからずっとキアナの事を考えている。
キアナは恋愛をしたいらしいがそんなことはできない。
俺は貴族だからだ。
それにキアナとは奴隷市場で出会ったばかりだ。
どうするべきだろうか。
キアナの所に行ってみるか。
俺はキアナの所に行くことにした。
「キアナいるか?」
と言いながらドアをノックした。
しかし、お返事がない。
一体どこに行ったんだ? 町の中を探してみるか。
その頃、キアナは……。
「お嬢さん、良い服を着ているね、それに可愛いね、俺と遊ばない?」
と言われた。
「ご、ごめんなさい……急いでいるので……」
男性は近寄ってくる。
キアナは走って逃げだした。
しかし、男性もキアナの事を追いかけている。
「そこのお嬢さん、なんで逃げるの? 遊ぼうよ」
と言いながら、走って追いかけてくる。
私は必死に走って逃げる。
男性はまだ走って追いかけてくる。
キアナはだんだん疲れてきて走るのもつらくなってきた。
男性との距離が縮まっている。
このままでは捕まる。
その時。
キアナは躓いて転んでしまった。
本当に捕まってしまう……。
キアナが後ろを振り向くと男性はすぐそこにいた。
「追いついた」
「こ、来ないで……」
私は後ざする。
「逃げることないよ? 遊ぼう」
「い、嫌……来ないでっ」
私は逃げたいけど、この状態じゃ逃げれない。
男性は私のお腹にグーで殴ってきた。
「あっ、い、痛いよ……」
私は蹲る。
男性は見下ろしている。
「逃げるから痛いことされるんだよ」
「……げほっ、げほっ……」
私はもうどうなってもいいと思った。
その時。
「キアナッ!」
と叫ぶ声が聞こえた。
振り向いて見ると
リクトがいた。
「キアナどうした?」
「この男性の人が……」
俺は男性を睨みつける。
「何? そこのお嬢さんの恋人?」
「ああっ、そうだ」
「へぇ、そうなんだ、でもさ、俺がもらうよ」
こいつは何を言ってやがる。
キアナは俺が奴隷市場で買ったんだ。
渡すわけないだろう。
男性はいきなり右ストレートを繰り出してきた。
俺はそれを避けて男性に右アッパーをくれてやった。
ヒットすると男性は倒れた。
「いまのうちだ、いくぞ」
「は、はい」
俺とキアナはすぐさまそこから立ち去って家に戻る。
キアナを見ると何もなさそうだが、お腹をおさえているな。
きっと男性にひどいことをされたんだろう。
俺は介抱してやることにした。
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