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「……常滑か?なんでそんなもん」
「岩。それに、和史も」
壮介は友人二人に呼び掛けながら、開いていた掌をもう一度結んだ。
「済まねえが、もう少し説明したらすぐ行くから、納戸で待っててくれないか」
「え」
「分かった。ゆっくりで良いよ。……じゃあまたね、千都ちゃん、清子さん」
言われた事が飲み込めないTシャツの男を、和服の男が連れ去った──女二人に、満面の笑みで挨拶しながら。
「ほんと油断ならねえな……」
「先生?」
俯いていた千都香が、小さな声で壮介を呼んだ。
「あん?何だ?説明だったら今からすん……」
壮介はそこで言葉を止めた。友人達が来たせいで、だいぶ地が出てしまっている。
「……大変お待たせ致しました、今からご説明致します……で、良いか?」
「……すみません。」
「なんで謝るよ」
「だって」
ちぐはぐな会話にも普段の千都香にも似合わぬ声が、しんとした室内を打った。
「だって……こんなもの直したいなんて、」
「千都香」
「……はい。」
壮介は四つの欠片を掌の上で合わせてみながら、千都香の方を見ずに尋ねた。
「俺は、直したいもんを持って来いっつったんだが……これは、違うのか?」
「……違いません。」
「じゃあ何で謝るよ」
「…………」
千都香からの答えは無かった。
壮介は、答えの無いことは無いままにして、作業の説明をする事にした。
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