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「……じゃあ、分担はそんな感じで。女性陣にも声掛けて、次回からの日程調整のグループ作って連絡する。あと、会場候補探しとくね」
「ああ。宜しく」
壮介は、納戸と呼んでいる玄関近くの小部屋で、友人達と打ち合わせをしていた。ダブルブッキングの謝罪をした後、今日の用件である恩師の年祝いの件を三人で相談していたのだ。
「悪いな、ほとんどやらせて」
「気にしないで、ガンガン。適材適所だよ。二人に頼みたい仕事もそのうち出て来るし……お得意の力仕事とか?」
「おい、それだけか!」
「あはは、冗談だよ……生徒さん達、そろそろ作業終わったかなー」
「もう終わってるだろ」
壮介は渡された今後の決めごとの書かれている紙をめくりながら答えた。
「終わったら昼飯にしといてくれって言ってたから、気にしなくて大丈夫だ。まだ時間に余裕は有」
「お昼っ?!」
「あ?ああ」
「俺達も、ご一緒していい?!」
「……は?」
話が飲み込めない壮介に、羽織り姿の男がずいと迫って来た。
「良いよね?さっきろくに自己紹介も出来なかったし……どうせどっかで飯食う予定だったし!ねー、ガンガン?」
「……そうだな。ご迷惑で無ければ」
「おい?!お前なんで乗って来んだ?!そういう奴じゃねえだろ、岩!」
「いや……まあ……」
「そりゃねー?」
壮介から目を逸らして頬を掻いているTシャツの男の肩に、着物の男がにんまり笑いながら、手を乗せた。
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