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「それでは、雛。話を整理しようか。君はまずどこを通ってここに来たんだい?」
閻さんに連れてこられたのは、和室のお部屋で、中々の広さだった。そこにはポツンと座布団が二つ置かれており、その一つの横には肘掛が置いてあった。閻さんは一目散に肘掛が置いてある席に座ると私をもう一つの座布団に座らせ、問いかけたのだった。
「えっと、なぜか、光の中に包まれてフワフワとしていたら、その光が途切れて河原に着いたの。でも、河原には誰もいなくて、どうしようかと思っているところに、この旅館が見えたから、綺麗だなと思ってよってみようかと思ったのよ。かなりの高さにあるように見えたから、心してかからないとと思ったら、数段でここに着いちゃったの。それに扉も空いているようだったから、やってるのかなーって思って入っちゃったのよ。それに夢だって思っていたしね。そしたら、閻さんにあったって言うわけ。」
閻さんは少し考えるように顎に手を当て、肘掛に寄っかかった。
「そうか。では、ロクの話が途中で終わってしまったしな。理由はわからないが、本来ここに来るまでの流れを話そう。」
「じゃあ、私は正規のルートで来ていないのね。わかったわ。聞かせてくれるかしら。」
閻さんはコクリと頷き、ここまで来る順序を話してくれた。
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