第一話 バッティングセンター

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第一話 バッティングセンター

 それにしても、赤井姉弟の、『赤井緑presents☆赤いTバック手渡しドッキリ』には、スッカリ(だま)されてしまった。  ここ数日、僕は、『赤井さんの、清楚で真面目な清く正しき(いと)しい桃尻が、赤いTバックを()いてますよ妄想』、に大忙しだった。  いかん。このままでは勉強も何も手につかない。高校生たる者、勉強が本業なのだ! スケベな妄想は副業だ! ……って、副業なのか?!  僕は、赤井さんの赤いTバック桃尻を、頭の中から振り払うべく、気分転換に、バッティングセンターへ向かった。  まず、最初のコインでの25球。50~80km/hのスローボールを軽く打ち返しながら、フォームのチェック。  次のコインでの25球。80~110km/hのスピードボールを、フォームを意識しながら、(りき)まず、しっかり本気打ち。  (まと)に当たればホームラン。コインが4枚もらえる。4ゲーム(100球)無料(タダ)でできるのだ。  小学生の頃から通い慣れたバッティングセンター。ときどき、ホームランを打ってしまうので、結構、コインも()まっていたりする。今日も三本、ホームランを打てた。  打ち終えて、受付に、ホームランの報告をしに行こうと、バッティングゲージから出ると、 「いいスイングしてるね!」  と、声を掛けられた。 「えっ、あ、ありがとうございます!」  うちの高校のモテ男、オータム先輩だった。 ー 第二話へ、つづく ー
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