第1話

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 俺の名前は佐久間(さくま) (はる)。  高校を卒業した後、俺はすぐに就職。チェーン店のカフェのキッチンスタッフになった。  料理に興味があった訳ではないけれど、就職説明会で話した店長の雰囲気が良かったので、面接を受けたところ採用してもらったのだ。  21歳、O型。身長は167センチ、誕生日は8月10日。就職してからはカフェに近いアパートで一人暮らしをしている。  彼女はいない。いたこともない。  だけど働くことになったカフェのスタッフはみんな良い人で、毎日がとても楽しい。  おかげでもう働き始めて3年目になる。恋愛はしたいし彼女も欲しいけど、このスタッフのみんなとやっていけるのなら別に良いと思っている。  朝から夕までドリンクを入れたり、フードを作ったり、洗い物をしたり。そして家に帰って洗濯をして、ご飯を食べて、風呂に入って寝る。  そんな平凡な毎日を送っていた。  これからもこんな楽しい生活が続くんだろうと思っていた、ある日のことだった。  それは9月のこと。 「(たき) 隼人(はやと)です」  キッチンに新しいアルバイトの男が入ってきた。もう3年目だから、何人も新人は見てきたけれど……
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