1171人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
第四章 破滅の時
ピンポーン
「……」
翔ちゃんとの事があってから数日後、私はいつものように諒さんのマンションに来ていた。
(…?)
しばらく待ったけれど返事がない。いつもなら在宅の時間なのにと思いながらも今日は諦めて帰ろうと部屋の前から数歩離れた瞬間、ガチャとドアが開く音が聞えた。振り返ると諒さんが立っていた。
「──なんだ、典子か」
「諒さん、いたんだ。てっきり留守かと」
「寝てた」
「……」
なんだか顔色が少し悪いなと思った。
最初のコメントを投稿しよう!