暗殺者の日常

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ピピピピ、ピピピピ 7時に設定したアラームが鳴るとゆっくり起き上がり音を止める、フラフラと重い足を動かし洗面台まで行き顔を洗い歯を磨きボサボサになっている髪の毛を整える、そして黒いスーツを着て出掛ける用意をする 昨日メンテナンスしたライフルをケースの中にしまいキッチンへと向かう、昨日作っておいたサンドイッチと魔法瓶の中にお湯を入れて準備完了 車から降りビルに向かう、何度もビルに出入りして怪しくないかって?勿論変装はしてある、変装なんておちゃのこさいさい 5月の朝はまだ肌寒い屋上ということもあってより寒く感じる、ここで魔法瓶の意味がわかっただろう 俺は魔法瓶を取り出しケースの中からコップも取り出す、俺はカフェを開いてることもあってインスタントのコーヒーはあまり飲まないのだが コップにインスタントの中身を入れ魔法瓶のお湯を注ぐとコーヒーの香りが広がる、そして今回のメインディッシュの登場サンドイッチ新鮮なレタスとサクサクのカツ、そうカツサンドである、カツサンドのサクサクしてジューシーな肉だけではなくレタスの水々しさがとてもマッチしてうまい、さらに寒さを忘れさせるコーヒーの暖かさ、インスタントも捨てたもんじゃない カツサンドとコーヒー 悪くない 食事し終えたらケースからライフルを取り出し組み立てていく、メールでは10時に組長が現れると言っていたので現時刻は9時50分そろそろ現れるころだ、スコープのピントわ合わし最期の微調整をする 「ねぇ、何してるの?」 横から声をかけてきたのは制服姿の多分女子高生である、もちろんここにきた時から気づいていた、ビルの屋上にいる女子高生がすることはなんとなくわかっていたのだが俺には関係ないので無視していた 「まぁ、見るからにやばい人ってことはわかるけど」 「なんだ、自殺しないのか?」 「…するとこだったのよ」 俺は集中するために女子高生のことは完全に頭から排除した 式典会場に黒い車が止まり中から黒服が3人ほど出てきた後に標的の組長が出てくる、風力を感じ狙いを修正する、息を止め震えをなくし引き金を引く、カスタムしたサンプレッサーで音は小さくしてるもののかなりの発砲音が鳴り響き銃弾は組長の頭をぶち抜いた ふーっとため息をついて横を見ると 「まだ飛び降りてなかったのか?」 「う、うるさい!横でそんな事されたら気になるでしょ」 「もう死ぬのに?」 「ぐっ!」 正直こういう輩は何度も見てきた、死にたいと言いつつも恐怖が勝っていることが多く踏み止まるが結局みんな死んでいく 「飛び降りれないんだろ?」 「……何にも知らないくせに!!」 逆上してキレてくる、だからガキは嫌いなんだ、自分中心に世界が回ってると思ってやがる 「俺が殺してやろうか?」 「えっ?」 「だから、俺が殺してやるよ」 そう言って俺は銃口を女子高生に向ける 「ひっ!?」 女子高生は顔を青くし怯えている逃げようとするも後ろに逃げ場はない 「どっちにしろお前には死んでもらうつもりだ」 「え?」 「俺の犯行現場見られたし、消えてもらう」 これでも殺し屋だ、顔を覚えられていては後々面倒ごとがありそうだからな 「そ、そんなの…」 「さぁ決めな、俺に撃たれて死ぬか、飛び降りて死ぬか」 「…分かったわ、殺して!でも一つ約束して私を虐めた奴らと学校の教師どもを殺して欲しいの、お金はないけど…私の体をあげるからアイツらを惨たらしく殺して欲しい」 その時のそいつの顔は憎しみと怒りが混じり合い本気で殺しやると伝わってくるほどの形相だった 「…ふ、ふははははは!」 「な、なにがおかしいのよ!」 「いいだろう、受けようその仕事」
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