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(‥‥気を付けた方がいい、って‥‥そういう、クスリとかやってるからってこと?まさか、南央斗さんがそんな‥‥)
「‥‥郁ちゃん?」
「へぁっ!?」
去っていく三人の背中を呆然と見送りながら、あれこれ考えていると、背後から急に声をかけられた。
びくっとして振り返ると、立っていたのは、不思議そうな表情をした南央斗だった。
「なかなか帰ってこないから、どこまで行っちゃったんだろうと思って探しに来たんだけど‥‥どうかした?」
「いえ!すみません、ちょうど今、お返ししたところです」
「そっか、良かった。じゃ、店帰ろっか」
そう言って、にこやかに店の方面に歩き出す南央斗は、いつも通りの優しく穏やかな様子で、まさか警察のお世話になるタイプには思えない。
(‥‥南央斗さんがそんな人だとは全然思わない。でも、大学時代、一体何があったんだろう‥‥)
中途半端に妙な話を聞いてしまったがために、どうにも気になるような思いに駆られながら、郁は南央斗と並んで、店へと戻っていった。
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