おにいちゃんカフェへようこそ！

ep.5 黄色い薔薇のおにいちゃん～太陽のような笑顔の裏側～

「‥‥なんか、不思議だなー。昔のこと、店のみんなには絶対知られたくないと思ってたのに。そんな風に言ってもらうと、逆に聞いてほしくなっちゃうよ」

「え、そ、そうですか‥‥？」

「うん。‥‥郁ちゃんには、知っててほしいなって。そんな気がする」

そう言って、南央斗は郁に微笑んだ。
その微笑は、無理な笑顔でも不自然なものでもなくて、いつもの南央斗のように思えた。

「‥‥ちょっと、時間くれる？自分語りに付き合わせるのも申し訳ないけどさ」

南央斗の言葉に、郁は大きく頷いて、「もちろんです」と答えた。