第3章 少年王

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 じわじわと痺れる体の内側に熱が溜まっていく。口の端からだらしなく垂れるのが自分の唾液なのか、それとも散々口の中を蹂躙しつくした〈あれ〉の分泌液なのかもわからない。 「ん。や……」  思考は中途半端に奪い去られるが、それでも嫌悪までも消えるわけではない。〈少年王〉はもはや抵抗とも呼べない程度の力ない拒否の言葉をつぶやき、ふるふると頭を振ってなけなしの意志を示した。  開かれた脚の間を〈あれ〉がくすぐる。やがてそれは脚の付け根まで迫り、より敏感な場所の近くをぬるぬると行き交いはじめる。  嫌だ、怖い、やめて。そう叫びたいはずなのに、どこかに相反する気持ちもある。健気にぴんと勃ち上がり張り詰めた幼い性器のとその下にあるまだ十分な重さを持たない膨らみ。さらにそこから後ろに辿った場所にある密やかな桃色の窄まり。〈あれ〉はそれらに直接触れることをせず、器用にその周囲だけを刺激してくる。  未成熟な体をゆっくり拓こうとする動き。最初はただ怯え戸惑っていた〈少年王〉だが、今ではその先に何があるのか知っている。そして、それはただ怖いだけではなく——。 「ああ、嫌。嫌……」  そう言って体をよじった拍子に〈あれ〉が揺れる屹立の先端をくすぐった。 「あああっ!」  するりと撫でるような、ごく軽い刺激にすら耐えきれず〈少年王〉は大きな声をあげた。同時に自分の先端から細い飛沫が吹き出すのを感じる。  たったこんな刺激だけで、軽く達してしまった。直接触れられる快感を覚えてしまえば、思春期の体は正直だ。嫌だ嫌だと思いながらも体は簡単にそれを裏切り、腰がうずうずと揺れてもっと強い刺激を求める。 「何で。こんなの、だめ。だめなのに……」  いよいよ〈あれ〉が〈少年王〉のペニスに絡みつく。くるくると巻きついて絞るような動きをしたかと思えば、敏感なくびれや裏側をぬるぬるとした表面で舐めるように擦ってくる。 「あっ、あっ、あ……」  先端の小さな穴をくすぐられ射精欲が高まったところで、きゅっと根元を絞られる。高められた性感の逃し場所を失くして〈少年王〉はただ身悶えた。
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