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「勇者様……」
結論だ。そう、結論。長々と話すよりも結論を最初に言った方が良い。
んん、僕の仲間が、街の冒険者連れて戦ってました。
ここ襲撃すれば僕を出してくれると思ったらしい。なんでだ。
「おほん……で、取り敢えず、なんていうか……大丈夫だよ、うん」
「何が…?」
エリスが何か言った気がするが気のせいだ。
「思ったよりも被害少なくて良かった…」
空の妖精王が空島の混乱を収める中でそう呟いていた。申し訳ない。うん。
その中でエルも空島が心配でここに来ていたらしく、今は森の妖精王に抱かれている。
「…はなせ…っ!はな……はなせぇ!」
バタバタと暴れようとしているが適って居ない。
「てか、お前ら仕事は!?」
「ほう、俺にそんな口を聞くとは…いい度胸だ。主導権はお前には無いぞ?」
「うわぁぁぁぁぁ!自己中野郎めぇぇぇ!」
エルも楽しそうだし良かった良かった(白目)。
そして、その中でずっと黙っていたグルガが口を開いた。
「勇者…分かっているぞ。俺達の為に嘘をついているんだろう…?」
「え?」
説明するのが面倒だったから色々省いて「全然大丈夫」とだけ言ったけど、確かにそう言ったけど、それ本当だからね。
「エリス様!かわいい…」
「く、クリス…日に日に俺に対しての評価変わってないか…?」
「あれ、わんちゃんだ…」
「セフィグラディス、あれ犬じゃねぇぞ。多分」
「エリス!そういうのはいいのぉ!」
なんだか横が煩いがそこは良い。
「大丈夫だぞ、助けるからな」
「まてまてまてまて色々おかしいだろ」
まぁ今は丸腰だから確かに危険に見えるけど…。
てかエリスとか何か反応してよ!クリスしか見てないじゃん!
そして最後の頼みの綱であるセフィはエルに夢中だ。みんな何のためにここに来たんだろう。
「とにかく帰るぞ!建て直そうではないか!」
グルガにはこの状況がどんな風に映っているのだろうか。完全にほんわかしているんだけども、敵地にいるという先入観は感じるものまで変えるのか。
「いや、大丈夫だからみんなで帰っ…」
そう言おうとするとグルガに抱えられる。
「!?」
ふふ、僕の方が力つよ……。
強いから…。
つ…よ……。
「なんで力が弱まってるんだよ!」
バタバタと必死で暴れる。グルガが前よりも強くなっていることもあるだろうが、僕の力も明らかに弱まっている。全然抵抗出来ない。
「エリス!クリス!セフィ!行くぞ!」
「!????」
そもそもどうやってきたんだよぉぉぉぉぉ!!
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