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必死に動くが動けないし魔王そもそも来ていないから助けてもらうことも出来ない。
そもそも、魔王にここに来る事を伝えては居ない。魔王は「妖精王が居ればあんなのすぐ収められる」と言っていた。しかし僕は仲間も心配で、こっそり来たのだ。来る為に色々頑張った。
「グルガ!?勇者を抱えんな!ちょっとは考えろ!!」
「エリス様の言う通りです」
エリスとクリスがこちらに歩いてくるとクリスが何かを唱える。
相変わらず下らないことで争ってるなぁ。
僕がここに来る事を魔王に伝えていたら、魔王は来ていただろうか。
そこで察したクリスの魔法の万能さ。クリスって転移魔法も使えたのかよ……。
思ったよりもクリスは優秀なようだ。それに比べて僕達ってクリスに劣ってるようにしか見えない…。
魔王たすけて…と心の中で思った時、疑問が湧く。いやいや、なんでここにいる必要があるんだ?うん、戻っても大丈夫だよね。これじゃあ僕が魔王の元に居たいみたいになるじゃないか。
心の中でよく分からない諦めが着いた時、景色が変わった。
宿の一室に移動した一同は取り敢えずため息をつく。
…そのときクリスが一言、思い出したかのように言った。
「あ、セフィグラディス忘れた」
!?
凍りつく空気。
ダメだ、落ち着け…落ち着け…。こういう時こそリーダーの僕が落ち着かなければ。
「よし、また一旦空島に…」
「あ、僕もう疲れたので転移魔法使えません」
「じゃ、じゃあ他の方法を…」
「空どうやって飛びます?僕には魔法使えませんよ」
「………………」
割とこの旅ってクリス頼りな所あるよね。うんそうだね、僕役に立ってないね。
でもよく考えて欲しい。元々勇者は戦闘に特化しているはずなのだ。だから、仕方ない。
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