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キイイィィ……!
金色の取っ手のついた、重い玄関の扉を押すと、門と同じくあっさり開いた。そっと中を覗くと、そこは大広間だった。
つややかな石の床に、高級そうな赤いカーペットが敷かれている。
「お、おじゃましまーす……」
恐る恐る声を上げるオレ。
「すみませーん……誰かいませんかー?」
トワも家主を呼んでみたが、返事はなかった。
「ボクの猫が、迷子になっちゃったんです。ちょっと、捜させていただきまーす……」
念のため、最初に断りを入れておくトワ。
でもやっぱり、オレたちの声が広い空間に響くだけ。
やっぱ廃墟なのか?
けっこう古そうな建物だし……でもそれにしては、割ときれいな気もする。
にしてもこの屋敷、外観に負けないくらい、中も立派だ。
まず驚いたのが、広間のどまん中に、巨大な階段がデーンとあること。
階段は、大人が五人くらい横に並べるくらい、幅が広い。
しかも、たぶん大理石でできていて、床と同じくふわふわの赤いカーペットが敷かれてある。
なんていうか、本当におとぎ話のお城の階段ようだ。
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