一章 ここはユーレイ屋敷!?

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 キイイィィ……!  金色の取っ手のついた、重い玄関の扉を押すと、門と同じくあっさり開いた。そっと中を覗くと、そこは大広間だった。  つややかな石の床に、高級そうな赤いカーペットが敷かれている。 「お、おじゃましまーす……」  恐る恐る声を上げるオレ。 「すみませーん……誰かいませんかー?」  トワも家主を呼んでみたが、返事はなかった。 「ボクの猫が、迷子になっちゃったんです。ちょっと、捜させていただきまーす……」  念のため、最初に断りを入れておくトワ。  でもやっぱり、オレたちの声が広い空間に響くだけ。  やっぱ廃墟なのか?  けっこう古そうな建物だし……でもそれにしては、割ときれいな気もする。  にしてもこの屋敷、外観に負けないくらい、中も立派だ。  まず驚いたのが、広間のどまん中に、巨大な階段がデーンとあること。  階段は、大人が五人くらい横に並べるくらい、幅が広い。  しかも、たぶん大理石でできていて、床と同じくふわふわの赤いカーペットが敷かれてある。  なんていうか、本当におとぎ話のお城の階段ようだ。
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