一章 ここはユーレイ屋敷!?

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「セーヤ、上見てよ、すごいよ!」  トワに言われて天井を見て、 「うわあ……!」  思わず感動の声が出た。  ふきぬけになった、はるか高い天井には、いくつものガラスのシャンデリア。明かりはついていないけど、雪の結晶みたいに、きらきら光を反射させている。  そして階段を上がった先には、背の高いステンドグラスの窓があって、そこから外の光が入ってきていた。  ステンドグラスは、大きなしだれ桜の模様だった。 「すごい……光が虹色だ」  トワが感動したように声をもらす。  七色の光は、オレたちにもふりそそいでいた。  階段は、ステンドグラスの窓がある壁にぶつかると、今度は左右ふたつに小さい階段になってわかれて、それぞれ二階につながってるみたいだった。 「とりあえず、上ってみるか?」 「そうだね」  一階にも四方八方に、部屋や廊下がごろごろあったけど、なんとなくクロは、この階段を上っていった気がする。  まあ、ただの勘なんだけど、立ち止まってもいられない。  二人で、階段を小走りに駆け上がっていった。
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