一章 ここはユーレイ屋敷!?

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〈覚悟ぉ────!〉 「うわあああああああああああ!?」  絶叫して逃げ出すオレとトワ!  ダッシュしながらふり返れば、刃をふり回しながら迫ってくる日本刀!  ウソだろっ……! 夢だ、こんなの間違いなく夢だ!  夢だ、夢だ、夢だ……  ベシィィンッ!! 「いでぇッ!?」  なぜか隣を走っていたトワが、オレの後頭部を思いっきり叩いた。 「いてーよっ、なんで今、この場面で叩くんだよ!?」 「ご、ごめん! セーヤ叩けば、夢から覚めるかなー、と」 「おまえバカなの!? 自分叩かなきゃ、意味ねーだろがっ」 「ぱ、パニック起こしちゃったんだってば!」  しかしトワに殴られたおかげで、わかった。これ夢じゃない!  しかも前が行き止まり…… 「って、ええっ、行き止まりぃ!?」  逃げ場を失った二人、迫ってくる刀オバケ、絶体絶命のピンチ! 〈覚悟──ッ!〉 「ひいいいいいいぃい!」  もう、天に召されるのを覚悟した、そのとき。 「あああっ!?」  トワが驚いた顔で、何もない天井を指さす。  と、刀が急停止して、びっくりしたように天井をキョロキョロ見上げる。  ひ、ひっかかった! 「今だーっ」  刀の横をすり抜けて、オレたちは来た道をUターンした。 「セーヤ、このまま戻って、さっきの階段下りて脱出しようっ」 「お、おう!」  しかし、そうはうまくいかなかった。  ボボッ!  急に、廊下の燭台のロウソクに火がともる。  ぎょっとするオレたちに、今度は燭台の火が、火の玉になって襲いかかってきた! 「トワあぶないっ」  トワの頭をつかんで、無理やり床にふせさせる。  火の玉は、ほんの一秒前まで、トワの頭があった場所をビュンッと通過した。他にも、いくつもの火の玉が廊下を飛んでいる。  おまけに、さっきの刀が後ろに迫ってきてるし! 「こっち!」  オレはトワの手を引いて、そばの部屋に逃げこんだ。  ドアを閉めて、すぐさま鍵をかける。 「はあぁぁぁ……」  一時的な安全を手に入れて、オレとトワはへたりこんだ。
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