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見ると、逃げこんだ部屋の中心には、細長い木のテーブルが置いてあった。
真っ白で清潔そうなテーブルクロスがかけられている。その上に、ピカピカの銀食器がずらりとならんでいた。
カタ、カタカタカタカタ……!
「え。なんの音?」
隣でトワが顔を引きつらせる。その正体が、銀食器が震えている音だと、気づいたとき。
ふわり、と宙に浮かぶ、スプーン、フォーク、ナイフ……
それらが矢みたいに飛んで、きた────!
「ぎゃあああああああっ」
あわてて避けるオレたち。後ろのドアに、グサグサグサッ、とフォークやナイフが突き刺さる。
あ、あぶねえ!
「トワ逃げろぉお!」
「言われなくたって逃げるってば!」
バァン!と、隣部屋に続くドアを二人で蹴り飛ばした。
けど、そこでも、羽ペンやハサミやコンパスやペーパーナイフなんかが飛んできて、オレたちは悲鳴をあげながら逃走した。
部屋を脱出して、次の部屋に入って、廊下に逃走して、また刀に追いかれられて階段で三階までダッシュして……なーんてことをくり返してるうちに。
「ねえ、ここドコっ、ていうか出口どこっ!?」
オレたち、完全に迷子になりました。
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