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一章 ここはユーレイ屋敷!?
閑静な住宅街を、オレたちは自転車で風みたいに駆け抜ける。
そうしてオレたちがたどり着いたのは、小さな駐車場だった。
一台も車のない駐車場は、直射日光で見事に熱せられている。その証拠にカゲロウがゆらゆら、ゆれてるし。まるで、でっかいフライパンだ。
「これ、地面に生卵落としたら、目玉焼きになんねーかな」
「それ、夏休みの自由研究でやってみる?」
そんなアホな会話をしながら、自転車を下りるオレたち。
籠から出たクロは、ちゃっかりトワの頭に乗っかった。まったく、おまえだけ楽しやがって。
駐車場のすぐそばには、ほとんど森になっている、例の丘のふもと。
さて、この木がボーボー茂っている中を、どうやって登っていくか……って考えてたら、
「セーヤ、あれってひょっとして階段?」
トワがある部分を指さした。
よく見ると……たしかに階段だ!
草木に覆われて隠れているけど、間違いなく高台の頂上まで続く階段。てことは、やっぱり人が上に住んでいるのかも。
オレたちは期待をもちながら、森へと続く階段を上っていった。
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