エピローグ

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 いきなりのクラッカーの音に、オレたちはのけぞった。 「ハッピーハロウィーン、なのだよ」  クラッカーを手に、猫耳をつけた一二三ちゃんが冷静に言う。  いや、一二三ちゃん。セリフとテンションが合ってないから。  しかし、クロとシャルルを見た途端、一二三ちゃんのテンションが急上昇した。猫とテディベアのかわいさに、一気にとろけたような顔になる。 「クロ、シャルル、よく来たのだよ! 歓迎するぞ」  あのー……オレたちは無視ですか? 「お二人とも、ようこそいらっしゃいました! 魔法使いの衣装、とってもお似合いですわね」  よかった、セレナーデさんが代わりに歓迎してくれた。  セレナーデさんも今日は、黒のドレスにロザリオをつけたシスター姿に仮装していて、よく似合っている。 「パーティー会場はこちらですわ」  案内されたのは、グランドピアノのある、おなじみの広間。  今日は、白いテーブルクロスに包まれた丸テーブルがいくつも並んでいる。  テーブルそれぞれに、木の実やリボンで飾られたカラフルなキャンドルが立てられていて、カボチャのランタンまで用意されていた。  顔のほられたカボチャたちは、みんなそれぞれちがう表情をしていて、とても個性的だ。いかにもハロウィンって雰囲気。  すると、包帯ぐるぐる巻きのミイラが、オレたちを出迎えた。 「うわっ! 誰コレ!?」 「誰コレとは失礼な。それがしでござる」  うん、口調で誰かわかったよ。  竹兄は、顔の部分の包帯だけ取って、ふう、と息をついた。どうやら、息苦しかったらしい。トワが苦笑いしながら尋ねた。 「竹兄……その思いきった仮装はどうしたの?」 「これでござるかっ? なんと、レグルスさまが自ら、それがしの衣装を選んでくださったのでござる!」  やはり! と顔を見合わせるオレとトワ。  で、当のレグルスはというと。 「やあ、永遠くん、聖也くん。早かったね」  豪華な真紅のソファーで、王様みたいに優雅にくつろいでいた。  レグルスの衣装は吸血鬼……あ、いや。この人はもともと、こうだった。  そんな兄ちゃんは、竹兄の格好を見て、くくく……と笑いをかみ殺している。やっぱ性格悪いな、この人。
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