番外編 君と親友になった日

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 * * * 「……なるほど。それが、おまえたち二人が仲良くなったきっかけか。ようやく合点がいったのだよ」  紅茶をすすりながら、一二三ちゃんは納得したように、うなずいた。  ここは、つくも神ホテルの庭。  天気がよく、すがすがしい秋空の下。  今日は絶好のティーパーティー日和だということで、オレとトワ、つくも神ホテルのみんなで、外でお茶会を開いていた。  森の木々はすっかり紅葉して、ホテルの建つ丘全体が黄金や紅に染まっていた。  庭の池も、森の色彩と青い空、白い鱗雲を、鏡みたいに映してる。そよ風が池をなでると、水面がふるふるゆれて、いろいろな色が混ざりあった。  一二三ちゃんは、オレとトワがどうして親友になったのか、ずっと気になってたらしい。  お茶会の最中、一二三ちゃんにきっかけを尋ねられたから、それに答えていたところだった。 「ずっと、おかしいと思っていたのだよ。こんなにタイプが違う二人が、簡単に仲よくなるはずないのだよ」 「いやー、それほどでも」  食器のつくも神お手製のクッキーをほおばりながら、トワが照れたように頭をかく。  いやトワ、別にほめられてないから。  おまけに口にクッキーの粉ついてるし。 「それで、お歌のテストの結果は、どうなったんですの?」  一緒に話を聞いていたセレナーデさんが、宝石みたいな瞳をきらきらさせて、尋ねてくる。  歌のテストの当日、結果的にオレは、異様に歌が上達してクラスのみんなの度肝を抜くことに成功した。トワのもくろみどおり、というわけだ。  トワによるレッスンは相当スパルタだった……笑顔が優しく、やんわりした口調なのに、とにかく容赦がない。意外と怖いやつだ……。  でも、トワの指導は的確でわかりやすかったから、オレは苦手な歌を克服できた。  やっぱりトワは、すごいやつだと思う。
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