日常 var.ima

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「春は席どこ?」 「この列の一番後ろだよ」 俺の隣の列に手を置いていう。 「良いな。俺前なんだけど」 「そうみたいだね」 春と喋っていると、視界にデカイ図体の奴が映った。 「あ、智之」 「あぁ、春おはよ」 「おはよう」 短髪で前髪を上げ、見るからに筋肉がついている智之。学校の中で一番身長がデカイ。 前の扉から入ってきて、俺をスルーし、春に挨拶をする。 これ、朝もやられた気がする。 「智之、おはよう」 「あぁ」 春以外に冷たい智之。冷たいというか、感情を出す必要がないと思っている感じだ。 「春と一緒で良かったな」 「あぁ、去年頼んどいたから」 智之は去年から先生に根回しをしていたらしい。 「え、そうなの?先生困ってなかった?」 「大丈夫だ。礼はさっき言ってきた」 「良かった。でも俺も一緒で嬉しいよ」 嫌な顔をせず、にこやかに言う春。 若干智之も嬉しそうに目を細めている。 「はいはい、そういうの良いから。朝からお腹いっぱい」 智之と春はどちらも顔が整っているし、身長差も丁度良いらしい。だから二人が話していると絵になる。 「斗真のおとうさんとパパは今日も仲良しだったの?」 「そうそう、なんかお前らみたいな感じ」 「え、俺らみたいな?どんなだろ」 どんなだろうって、そのまんまだよ。 そこで天然いらないから。
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