HATE

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HATE

縦約十五センチ・横約二十センチ。  ややスモーク掛かったそいつだけがボクの世界だった。  どうやらボクは戦っていたらしい。  グローブを嵌めた手には血がこびり付いていて、それが『誰か』のものなら良かったのに……腹部の痛みから言ってボクのだ。  同じ武装服を着た奴らが、同じくこんな狭い視界の中からボクを見ながら銃を構えていた。  五人は見えるけど、後方にもまだいるみたいだ。  さっさとそいつを撃って殺せよ。じわじわ意識を失うよりも、その方が遥かに良いはずだ。 「十三号機も失敗か……」  不意にそんな男の声が聞こえて、ボクは……。
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