0人が本棚に入れています
本棚に追加
HATE
縦約十五センチ・横約二十センチ。
ややスモーク掛かったそいつだけがボクの世界だった。
どうやらボクは戦っていたらしい。
グローブを嵌めた手には血がこびり付いていて、それが『誰か』のものなら良かったのに……腹部の痛みから言ってボクのだ。
同じ武装服を着た奴らが、同じくこんな狭い視界の中からボクを見ながら銃を構えていた。
五人は見えるけど、後方にもまだいるみたいだ。
さっさとそいつを撃って殺せよ。じわじわ意識を失うよりも、その方が遥かに良いはずだ。
「十三号機も失敗か……」
不意にそんな男の声が聞こえて、ボクは……。
最初のコメントを投稿しよう!