集団主義全体主義は諸悪の元

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 満天の星空の星明りを浴びながら真一はカップルの集う大きな公園へ裕美を誘いこむ事に成功した。木々の隙間からここかしこに見えるカップルの様子をちらちら窺いながら石畳の道をてくてく歩いて行く。その内、電灯の光に照らされて皓々と光り輝く白粉花が背後に咲き乱れるベンチが目についたのでそこに座る事にした。  それまでロマンチックに時は流れていたのだが、真一が前々から聞いてみたかった事を持ち掛けると、雰囲気ががらりと一変した。 「あのさあ、ユミって女の子なのに学生鞄の裏とかに武士道だの特攻隊だの神風だの随分勇ましそうな文字が入ったステッカー貼ってるけど何でなの?」
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