集団主義全体主義は諸悪の元

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 夏休みの真っ盛り、盆踊りの最中、紅白の櫓の天辺から蜘蛛手に伸びるロープに吊るした幾つもの雪洞の下、白地に天色と海棠色の百合を全面に配した浴衣に珊瑚色の帯を締め、鼻緒も珊瑚色の下駄を履き、髪は旋毛の辺りで丸く束ね、そこにも珊瑚色の百合の造花の髪飾りを刺し、普段、前髪で隠れている富士額と後ろ髪で隠れている襟足を露にして踊っている裕美を真一は発見した。  彼女は色白で撫で肩で華奢で可憐で仕草が可愛らしいから実に浴衣が似合っていて風情が有る。正に純和風美少女だ。鶏群の一鶴で彼女が際立って綺麗なのだ。
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