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「あ~、ごめ~ん! 待たせちゃったね。 思いのほか時間が掛かっちゃった」
美里は手のひらを合わせて、それを顔の前に持っていき、世界一かわいい【ごめん】をした。
「ちゃんと終わったん? さっさと帰るぞ!」
「うん!」
学校からの帰り道、道祖神さんまで来た俺たち。
「じゃあな、美里」
「じゃあね、壮太」
「あっ、そうそう。 休み中、暑いからって腹だして寝んなよ。 いつものように【腹巻】して寝ろよ」
「あ~! ちょっと、またそれ~? 保育園のときの話でしょ? もう、壮太に見られたのが運の尽きだね……。 あ~あ、これからもずっと言われるんだろうな……」
「あぁ、これからもずっと言ってやるよ。 大人になっても!」
(あっ、これって、これからもずっと美里と一緒にいるよ宣言しちゃってるよな、俺)
「ずっと? 大人になっても?」 「おぅ、ずっと!」
「ずっと言ってほしいかも……」 「あ…… おぅ……」
「……」
「……」
なんだか恥ずかしくて もう帰りたいような、でもこのままずっと一緒にいたいような、何とも言えない不思議な時間が流れた。 こういう時ってカッコいい大人ならどうするんだろう。
「あ~、わたし、そろそろ帰るね……」
「あ、おう。 そ、そうだな……」
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