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――黒瀬風刃。
凛華がその名を呼ぶ前に、風刃は統二へ左の掌底を放った。
統二は難なく避け、距離をとる。数メートルの距離から乱入者の全身を見渡すと、解せないといった表情で眉を寄せた。
「なんだお前は……その仮面、どこかで……それにその服、確かマーセナリーの戦闘服のはず。一体何者だっ!?」
その風貌に見覚えがあった統二。しかし、思考の隙を与えるつもりもなく、風刃は地を蹴る。彼にとって無駄な問答は必要ないのだ。狩るか狩られるか、だだそれだけ。
冷気を纏った風が吹き荒れ、光線のように統二へ迫る。
あまりの速さに統二は反射的に大刀を薙ぎ払った。
風刃は膝を曲げ上体を倒しかわす。
「ちぃっ!」
懐への侵入を許した統二。すぐさま左手に氷結のナイフを、胸に氷結の鎧を形成する。
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