第四話 最後の仕事

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「最初から誘っていたのか。私が油断するように。だが、殺意具現者同士の戦いは禁じられている。傭団連に名を連ねるお前が、忘れたとは言わせないぞ」 「ああ、重々承知だ。だからこそ俺なんだ」  風刃は威嚇の意味も込めてナイフに殺気を纏わせる。漆黒の刃は闇を増し、禍々しく揺らめくオーラを放っていた。 「なにか事情があるということか。仕方あるまい、任務失敗だ。私はお前の殺衣の全貌を知らない。このままでは明らかに分が悪い上に、傭団連の規則もある」  統二は構えと殺衣を解いた。そして凛華を一瞥するとそのまま立ち去る。その横顔に悔しさは見えず、むしろ凛華を殺さず済んだことを安堵したようにも見えた。  風刃は追いかけない。その目的は敵の殺害ではないからだ。
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