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本と学ぶ
エミアさんとギルドの建物の外に出ると、目の前には馬車が止まっていた。
「元気か?エミア、随分と見ない間にむちむちになったなぁ?」
馬鎧に繋がった紐を持った50半ばぐらいのおじさんがエミアさんに話しかけた。
「うるさいよ、それにそこまで太ってない。ジル、レビーザ図書館までお願い。」
はは、と笑ったジルと呼ばれているおじさん。
「はいよ。」
そういった後に、僕の存在に気付いたジルさん。
「おい、エミア。」
僕は、お構いなしにエミアさんについていく。
「おまえ、妹をギルドに入れたのか?」
え、僕がエミアさんの妹!?
僕男の子だしエミアさんとはさっき知り合ったばかりなのに!?!?
「んなわけないよ。知り合いの子だよ。」
「可愛いお嬢ちゃんじゃないか。」
ちょ、ちょっと、僕男なんだけど...
「ほら、行こうよルック君。」
「は、はい。」
男の子だったのか君は、と独り言をつぶやくジルさん。
エミアさんは、わからなかったの?と少々驚いている様子で、こちらを見てきた。
ジルさんはそうか...と感慨深い顔をして前を向いた。
鞭打つ音が聞こえ、馬車は動き始めた。
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