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革命のエチュード
静岡県、浜松市に住む僕は幼い頃からピアノを習っていた。
地元に有名な楽器メーカーがあるため、、町を上げて音楽活動も盛んだ。
ピアノ教室も他県より多く、講師の経歴も凄い。
コンクールに参加する学生のレベルも高く、教える先生も一生懸命。
指導した生徒が参加した学生コンクールの結果が、ピアノ教室の評価でもあるからだ。
僕は幼少期の頃から全国規模のピアノ教室でグループレッスンを受けていたけど、コンクールでの成績がいまいち。
中学の時に個人レッスンに切り替えたけど、どの先生とも気が合わなくて落ち込んでいた。
当然、いい結果など出せるはずがない。
高校生になる直前、両親の知人から縁あって紹介してもらった現在の井隅先生と出会い師事させてもらって、このピアノ教室に僕はいる。
二年かかってコンクールの成績がトップ10に入るまで上達はしたけど、入賞の経験はまだない。
小学校低学年の時に同じグループレッスンを受けていた同級生の女子生徒、相葉真琴はいつも上位にいる。
高校は違うけど、どうしてこんなに差がついてしまったのだろう。
高校三年生になって県主催の学生コンクールに参加できる最後の年、どうしても結果を残したい僕は夢中になって練習を積み重ねていた。
でも、ピアノ部門に参加する同年代は強豪ばかりで自信がない。
指示してる井隅先生のもと、ノーミスを絶対条件に今日も指導を受けるため、授業が終了してすぐ学校からこの教室に来たんだけど・・・・・・
厚みのある防音扉を開いて目に入ったのは、見知らぬ女性の姿。
グランドピアノを目の前に、背筋を正し椅子に座り奏でるショパンの楽曲。
曲を耳にして、すぐに上級者だとわかった。
僕の存在に気づいた女性は演奏を止め、潤んだ瞳で見つめてくる。
長くて艶やかな黒髪に細身の体、背筋を正した立ち姿も綺麗で凄く美人。
外見を見ただけで、只者じゃないと勘ぐってしまう・・・・・・
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